喫茶店を開業する時に揃えておくべき設備をご紹介します。
まず、手洗いシンク、2槽シンク、食器棚、これらは保健所から許可を得るために必ず必要なものです。
加えて、業務用冷蔵庫、製氷機が挙げられるでしょう。
軽食などサイドメニューを出すならば、小型のコンロや電子レンジ、トースターがあると便利です。
珈琲に関しては、ドリップ方式やサイフォン方式の備品が必要ですが、手軽に抽出出来るコーヒーマシンを導入する方法もあります。
喫茶店で使用されることが多いコンロなどの加熱機器は、それほど大きい熱量を出さないため、フードや換気設備に、大きな投資は不要です。
製氷機やシンクには、排水設備、給水設備は不可欠です。
10席程度の小型の喫茶店では、カウンター形式が最も多く、またお勧めです。
理由は対面式なので、ひとりのスタッフで調理と接客が同時に出来るからです。
カウンター式のレイアウトではスタッフが左右に動くことが多くなる事から、珈琲を淹れる場所を中心に手の届く範囲、又は数歩の範囲に製氷機や冷蔵庫、洗い場などをレイアウトすると使い勝手が良いと思います。
ドリップ方式で珈琲を提供する喫茶店。
サイドメニューは、トースト、茹で卵などシンプル。
物件は、居抜き、約10坪の長方形、郊外型路面店。
厨房機器はなく、カウンターテーブルのみ。
厨房のレイアウトを決めるために、必要なのは、メニューと席数です。
一般的に10席の喫茶店に必要な機器は、手洗シンク、製氷機、2槽シンク、台下冷蔵庫、食器棚と加熱機器です。
設備については、給排水設備、ガス、電気となります。
手洗シンクは、厨房の出入口に近い位置に配置します。
お客様との接客を考えると、スタッフはカウンターの中央に立つことになります。
そのため、食材の保管と作業スペースを兼ねた、台下冷蔵庫をカウンターの中心にレイアウトしましょう。
日本人は右利きが多いので製氷機は、台下冷蔵庫の右側に配置すると良いでしょう。
食器を洗う、洗い場は台下冷蔵庫の左側に設置します。
このように、厨房機器のレイアウトは、優先順位の高いものから決めていくとスムーズに作成出来ます。
レイアウトのやり方に、絶対という正解はありません。
基本的な考え方を基に、柔軟な決め方をするのも良いでしょう。
①入り口付近に手洗いシンク、保健所の指導で決まっています。
②カウンターの中心に台下冷蔵庫、接客をしながら調理が出来る、冷蔵庫の機能を兼ね備えた台下型が望ましい。
③製氷機をシンクと台下冷蔵庫の間に入れる。
④2槽シンクを一番左端に寄せる。
⑤幅寸法を調整した「合わせ台」を入れる。
⑥台下冷蔵庫の上に、お湯を沸かす卓上コンロ、ドリッパー、トースター。
レイアウトをするにあたって、床置きの厨房機器と卓上型の機器に分けます。
まず、床置きのレイアウトを決めて、その後で卓上型機器の配置を決めましょう。
客席はカウンターが備わっています。
席同士の間隔を、80センチ前後に設定すると、7席になりました。
テーブルについては、本来四方向の位置に椅子を置いて、レイアウトしたいのですが、今回は、店舗の横幅が狭い物件です。
お客様が、トイレに行くための通路を確保するため、2名掛けのテーブルにしました。
※通路は1メートルぐらいが理想です。
ドリップ方式で珈琲を提供する喫茶店。
サイドメニューは、トースト、茹で卵ななどシンプル
物件は、居抜き、約10坪の三角形、郊外型路面店。
厨房機器なし、トイレなし、カウンターテーブルのみ。
狭い厨房の場合は、大きい厨房機器からレイアウトを考えます。
幅の広い台下冷蔵庫や2槽シンクを設置しますが、シンク同士は離して置いた方が効率的なので、手洗いシンク、台下冷蔵庫、2槽シンクの並びが良いと思います。
製氷機は、後ろを振りかえった所に配置しました。
今回の店舗は、三角形のため、四角い厨房機器を設置すると、機器の端には三角形のデッドスペースが必ずできてしまいます。
デッドスペースを作業スペースとして、有効活用するために、三角形の変形台で隙間を埋めて、スペースを確保しました。
カウンターのみの店舗で約6メートル、席の間隔は75センチで8席とりました。
長方形ではない、変形した店舗の場合は、厨房や客席もいびつになることが多く、客席数が店舗面積に対して、十分に確保出来ない場合があります。