カフェをクローズドキッチンで開業する

中規模以上の大きさがある洋食店などのレストランでは、ほとんどのお店がクローズドキッチンですがカフェ店も同様で、中規模以上の店舗の多くは、クローズドキッチンが採用されています。

クローズドキッチンとは、厨房と客席が完全に仕切られている作りになっており、お客様からは厨房が見えないので、調理人は料理に集中でき、お客様は視線を気にすることなく、ご自身の時間をゆっくりと過ごすことが出来ます。
厨房と客席、それぞれが独立したレイアウトになっています。
またクローズドキッチンはクローズキッチンとも呼ばれます。

排気フードなど、カフェ店として、お客様にあえて見せる必要のない設備を隠すために、一部をクローズドキッチンにする方法もあります。

クローズドキッチンのメリット

1.掃除の手間が省ける
客席と厨房が分かれているので、調理からでる熱や音を気にせず作業に集中できることに加え、油煙が客席まで届かないので、客席部分が厨房の油などで汚れる事が少なく掃除の手間も省けます。

2.料理人が、お客様の目を気にせずに、料理に集中できる
料理人が接客をすることなく、料理に集中できる。
お客様にとっても、見られるという意識がなくなり、プライベート感が高まります。

3.厨房内にお金をかけた装飾をする必要がない
お客様から見られることがないので、厨房内にデザイン性を求める必要がなくなり、コストを抑えることが出来ます。

4.ひと息つける場所が確保される
スタッフにとって、見られることのないスペースがあるだけで、休憩時間などひと息つける場所の確保になります。

5.照明を分けることができる
雰囲気を重視した店内は、照明が落とされがちです。
しかし、調理場にとっては明るい方が作業はしやすいので、客席との壁や仕切りを挟んで、照明の明るさを変えることが出来ます。

自由な厨房レイアウトが出来る

対面式のカウンターキッチンと違い、厨房が壁に囲まれているので、比較的自由に厨房機器を設置することが可能です。

お客様の目線を気にしないでよいと言うことは、効率性重視、調理のスピード重視でレイアウトが出来ますし、シンクなどの汚れものを見せないですむことも良い点です。

さらに、オープンキッチンと比べて、収納力が高い点も見逃せません。
天井まで壁があるので、背の高い縦型の冷蔵庫や棚を配置することも可能です。

導線面で考えると、ホールスタッフの導線と調理人の導線が交わらないので、作業がしやすく、効率も良くなります。

デメリットについて

厨房から、お客様がほとんど見えないので、料理の出すタイミングが分かりにくいと言えるでしょう。
調理場とホールの連携が取れないと、提供遅れなどのアンサービスにつながります。
対策として、デシャップと呼ばれる提供専用の場所を設定しましょう。
デシャップとは完成した調理をキッチンからホールに出す場所や置き台の事をいいます。デシャップを活用することで調理場とホールの連携が取りやすくなりスムーズな商品の提供が出来ます。

クローズされた厨房はお客様から見られていないと言う意識から、衛生管理や整理整頓が疎かになってしまう可能性があります。
また、コスト面で言えば、ホールスタッフがひとり多く必要になるので、人件費が多くかかってしまいます。
開業時においては、壁を作るので、内装工事費用も少々多くかかってしまいますのでオープンにするかクローズにするかは席数に応じた正しい厨房作りを計画しましょう。

クローズドキッチンの実例

カフェ 45席 大和高田市

物件取得費

200万円 35坪

工事費

2500万円 工事期間5週間

厨房機器費

1000万円

運転資金

200万円

テラス席もある、洋菓子を製造販売しているカフェ店。
キッシュという手のひらサイズのタルトの様な洋菓子を作るために、ドイツ製、世界のトップメーカーのスチームコンベクションを 2 台導入しています。

パステルカラーを基調とした店内は、明るく、花をデザインした内装が印象的です。
工事の着手に少々手間取ったのですが、複合施設内で開業するため、複合施設のオープン日に合わせなければなりませんでした。
通常8週間の工事期間を5週間で終わらせました。
工期が短いということは打ち合わせの時間も短いので、オーナー様も判断の時間が短く、正確な決断が求められました。

想定していた予算よりも開業費用が高額だったので、機器については、現金を使わずリース制度を用いて導入しました。

カフェ 8席 大阪市

物件取得費

70万円 10坪

工事費

600万円 工事期間2週間

厨房機器費

150万円

運転資金

60万円

レジカウンターの横に、対面式のケーキショーケースがあるお店。
客席カウンターなし、3坪ぐらいの厨房面積。

ケーキのテイクアウトが出来るカフェ。
路面に隣接した店舗で、お店の前に車が停められる立地。
幼稚園や郵便局などが近くにあるような、ローカル色の強い、地域密着型のカフェです。

今回担当された、施工業者さんは、大阪市内でカフェを数店舗経営している珍しい業者さんでした。
店舗レイアウトのノウハウも有しており、今回の工事にも活かされていました。

カフェ 16席 大阪市

物件取得費

0円※持ち家 8坪

工事費

400万円 工事期間10日

厨房機器費

120万円

運転資金

40万円

ウイスキーが飲めるカフェ店。
ウッド調の落ち着いた雰囲気で、マスターと話をするのが楽しいお店です。
ウイスキーは300種類ほどあり、リピーターの多いローカル色が強いカフェ店です。

オープンしてから20年経つ頃、店舗の改装をお手伝いしました。
既存の設備をそのまま流用できたので、改装日数も短く、レイアウト変更もありませんでした。
弊社は、経年劣化した厨房機器を現行の機種と入れ替えました。

クローズドカフェの紹介

コメダ珈琲

"くつろぐ、いちばんいいところ"を皆さまに、をモットーにするコメダ珈琲は、カウンターがなく、ボックス席しかありません。
ファミリー層がメインで、シロノワールというクロワッサン風のパンの上にソフトクリームが乗ったデザートが人気商品です。

トーストのメニューが非常に豊富なコメダ珈琲は、焼きあがったトーストにバターを塗るなど二次調理するために厨房には広いスペースが必要でしょう。
クローズドキッチンなので中を見ることは出来ませんが、テーブル型の多くの厨房機器を使っています。

コメダ珈琲

英国屋

純喫茶を連想させる英国屋はコーヒーを飲むだけでなく、安らぎの場や、楽しい会話をゆっくり過ごす交流の場として利用できます。
実際に行ってみると、客席と厨房エリアがハッキリと分かれているのが分かります。

英国屋

珈琲館

もてなしの柔らかさ、空間の柔らかさが売りの珈琲館は、完全クローズドキッチンの店舗が主体で、小型店舗では一部カウンターキッチンを採用している店舗もあります。

珈琲館

サンマルクカフェ

サンマルクカフェは、ドリンクに関しては注文を受けてからお客様からよく見えるカウンター内で一杯ずつ商品を作成します。
しかしフードと洗い場はクローズされたキッチン内にあります。

サンマルクカフェ

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